《ブラジル》GDP成長率が2年ぶりのマイナスに=2期続けば、不況再突入=鉱滓ダム事故影響大きく=頼みの農牧畜業もマイナス ニッケイ新聞WEB版より

《ブラジル》GDP成長率が2年ぶりのマイナスに=2期続けば、不況再突入=鉱滓ダム事故影響大きく=頼みの農牧畜業もマイナス ニッケイ新聞WEB版より 

2091年6月1日付け

 地理統計院(IBGE)が30日、今年第1四半期の国内総生産(GDP)は1兆7140億レアルで、直前の昨年第4四半期比でマイナス0・2%だったと発表した。同日付現地ニュースサイトが報じている。
 GDPがマイナスを記録したのは、マイナス0・6%だった16年第4四半期以来だ。
 2年ぶりのGDPマイナスは、市場関係者もある程度予測していた。今年に入ってからの経済指標は、軒並み、低調な数値を出していたからだ。
 第2四半期もマイナスとなると、「2四半期連続のマイナス成長」を意味する「リセッション(景気後退)」となり、2年ぶりの不況突入だ。
 GDPは、時期をおいて出てくるデータのせいで微調整される可能性があるが、昨年第4四半期のGDPは、プラス0・1%のまま、変更されなかった。このため、「既に2期連続マイナスで実質的に不況突入」という事態にはならなかった。
 今年の第1四半期を昨年同期と比較すると、プラス0・5%だった。また、昨年4月~今年3月の12カ月間の累積GDPは、一昨年4月~昨年3月の12カ月間比でプラス0・9%だった。
 GDPの64・3%を占める「家庭消費」がプラス0・3%を記録し、他分野のマイナス分をカバーしたが、全体としてのマイナスは避けられなかった。
 他には「サービス」がプラス0・2%、「政府支出」がプラス0・4%を記録したが、それ以外は、「工業」がマイナス0・7%、「鉱業」がマイナス6・3%、「農牧畜業」がマイナス0・5%、「投資」がマイナス1・7%、「建設業」がマイナス2%、「輸出」がマイナス1・9%を記録。「輸入」はプラス0・5%だった。
 「鉱業」のマイナス6・3%は、1月25日に起きたミナス州ブルマジーニョの鉱滓ダム決壊事故の影響が大きい。IBGEは、「ブルマジーニョ事故の影響で、他の鉱山まで採掘停止となった事も響いた。石油、天然ガスもマイナスだった」としている。
 また、これまでブラジル経済を牽引してきた農牧畜業も、マイナス2・2%だった2017年第3四半期以来の低調な結果だった。
 一向に下がらない失業率など、今年に入っても経済指標は低調で、企業家と消費者の信頼感指数も伸びていない。社会保障制度改革の進展も遅れていることから、多くの金融機関は、今年のGDP成長率予測を下げ始めている。
 ブラジル中銀による経済予測「フォーカス」の最新版(27日付)は、今年のGDP成長率を1・23%と予測した。フォーカスは毎週出されているが、今年のGDP成長率予測は13週連続で下方修正されている。
地元紙でも大きく取り上げられています。
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